外壁塗装の塗料とシックハウス症候群

外壁塗装工事で臭いが気になる人も多いと思いますが、最近は臭いが少ない水性塗料が使われたり、油性塗料でも臭いが少ない弱溶剤塗料が使われるので、それほど気にならないと思います。

ただし、油性塗料(溶剤塗料)の中には、「シックハウス症候群」の原因になる物質が含まれているものもあります。

外壁塗装の場合、家の中や車の中のように密閉された空間ではありませんので、シックハウス症候群の症状が出る可能性は低いですが、塗装したばかりの壁の前に長時間いるのはやめた方がいいかもしれません。

塗料

外壁塗装で使われる塗料はこのように分類されます。臭いや健康被害の可能性があるのは油性塗料です。

溶剤塗料

さらに、油性塗料を細かく見ていくと弱溶剤塗料と強溶剤塗料に分かれます。

弱溶剤塗料は塗料用シンナーで希釈して、強溶剤塗料はラッカーシンナーで希釈します。健康のことを考えるのであれば弱溶剤塗料がオススメです。

なお、最近の外壁塗装や屋根塗装では、水性塗料が使われる事が多く、油性塗料の場合でも弱溶剤塗料がほとんどです。

シックハウス症候群とは

シックハウス症候群とは、新築の住居や新車など、接着剤や塗料などに含まれるホルムアルデヒド等の有機溶剤が原因で引き起こされる症状のことです。

シックハウス症候群という言葉が登場して何十年も経ちますが、まだわかっていないことも多いです。

2002年に「建築物における衛生的環境の確保に関する法律の改正」が行われ、 ホルムアルデヒドの測定や対策が義務付けられるようになりましたが、原因物質はホルムアルデヒドだけではありません。

シックハウス症候群の原因物質として考えられているのは、以下の物質です。

●ホルムアルデヒド
●アセトアルデヒド
●トルエン
●キシレン
●エチルベンゼン
●スチレン
●パラジクロロベンゼン
●クロルピリホス
●テトラデカン
●フタル酸ジ-n-ブチル
●フタル酸ジ-2-エチルヘキシル
●ダイアジノン
●フェノブカルブ

シックハウス症候群の症状

シックハウス症候群の症状は多岐にわたり、他の病気の症状でも良く起こるものがほとんどなので、この症状が出たらシックハウス症候群と断定するのは難しいです。

●頭の痛み、めまい、眠気
●目の痛み、かゆみ、充血
●鼻血、鼻水、鼻づまり
●せき、くしゃみ、喘息
●耳鳴り
●吐き気、食欲不振
●下痢、便秘
●足のしびれ
●肌荒れ、乾燥肌、しっしん

低VOCの溶剤塗料

外壁塗装に使われる塗料の中にも、シックハウス症候群の原因になる物質が含まれていましたが、最近の溶剤塗料は低VOCの塗料が増えています。

VOCというのは、揮発性有機化合物のことで、まさにシックハウス症候群の原因になる物質のことです。

水性塗料であれば問題ありませんが、油性塗料を希望する場合で、シックハウス症候群が気になる方は、低VOC塗料を選ぶのがいいかもしれません。

ホルムアルデヒド放散等級

塗料の説明書などに、「ホルムアルデヒドF☆☆☆☆」と書かれていることがりますが、これは、塗料のホルムアルデヒドの方散速度や放散量を表したものです。

ホルムアルデヒドは方散速度や放散量によって、使用が制限されています。

等級区分

法規制対象外

3種

2種

1種

表示方法

F☆☆☆☆

F☆☆☆

F☆☆

方散速度

5以下

5~20

20~120

120以上

方線量

0.12以下

0.12~0.35

0.35~1.80

1.80以上

使用制限

無制限に

使用可

床面積の

2倍まで可

床面積の

0.3倍まで可

使用不可

外壁塗装は密閉された空間の塗装ではないので、それほど人体への影響はありませんが、F☆☆☆☆の塗料であれば安心です。