40年、50年のトータルコストで塗料を選ぶ

外壁や屋根の塗装をする時に、工事はまとめてやった方が良いとされるのは、トータルでかかってくる費用が安くなるためです。

外壁、屋根、付帯部分を分けて塗装するご家庭がありますが、これでは1回の工事にかかる費用は少なくてもトータルでは大きな出費になっています。

外壁と屋根で耐久年数の異なる塗料を使うと、次回の塗装時期が変わってくるため良くありません。(屋根の方が耐久性が落ちるので、屋根はフッ素、外壁はシリコンのような形はOK)

新築を購入して10~15年で外壁リフォームが必要になってきますが、使う塗料によって次のリフォームの時期が変わってきます。安い塗料は耐久性が低いので、次の工事までの間隔が短くなります。

 

塗料の耐久年数

ペンキ

アクリルは5~8年、ウレタンは8~10年、シリコンは10~15年、フッ素は15~20年が耐久年数です。

アクリルやウレタンは耐久性が低いので、最近は一般住宅の塗料としてはあまり使われなくなっています。

塗料のグレードが上がるほど費用が高くなりますが、耐久年数も上がります。1回の工事費用を抑えるために、グレードが低い塗料を使う人もいますが、次回の塗装までの期間が短くなるため、トータルでは損をしている可能性があります。

一般的に使われているシリコンであれば、次回の塗装は12~15年後に行われることが多いです。フッ素であれば18~20年ぐらいは持ちますので、5年以上の差が出てきます。

 

シリコンとフッ素のトータルコストを比較

耐久年数をシリコンが10年、フッ素が20年とした場合に、50年間で行われる塗装工事のトータルコストを見てみます。

外壁塗装と屋根塗装を同時にやった場合の工事代金です。塗装面積や使う塗料、塗装業者によっても金額は変わってきますので、目安としてご覧ください。

フッ素の方が1回の工事代金は高くなりますが、長期間で見た時のトータルコストでは、安くなるかもしれません。

実際には、シリコンでも15年ぐらい塗装しない家も多く、フッ素との差が5年ぐらいになることもありますので、これほど明確な差は出ない可能性がありますが、塗料を選ぶ時には耐久性を考えなければなりません。

屋根が日本瓦(粘土瓦)の場合、基本的にはメンテナンスフリーですので、外壁塗装の代金のみで大丈夫です。カラーベストやコロニアルなどのスレート屋根の場合は、塗装が必要です。

足場代、高圧洗浄は使う塗料に関係なくかかってくる費用ですので、工事の回数が少ないほど費用が節約できます。塗装工事は、1回の工事代金だけではなく、40年、50年という長い期間で考えましょう。