セメント瓦屋根の特徴と塗り替え・リフォーム方法

セメント瓦とはセメントと川砂を重量比で1:2~1:3で混ぜたモルタルを型に入れて成形し、塗装したものです。
陶器瓦と比べて均一性に優れ、座りが良く一定した並びになります。

瓦には、粘土瓦やセメント瓦、スレート瓦などがありますが、セメント瓦は軽量で火災にも強いので良く使われる屋根材です。コンクリート瓦や厚形スレートとも呼ばれています。

ただし、粘土瓦のように塗装が不要な屋根材ではなく、紫外線や雨などで瓦が劣化すると、塗膜が剥がれてきます。塗膜が剥がれてもすぐに雨漏りに繋がるわけではありませんが、塗替えが必要です。

塗膜が剥がれ表面にザラザラの骨材が現れた状態は、もろく少しの力で割れてしまいます。その状態で塗装しても瓦自体の耐久性は落ちたままですので、塗膜が剥がれ骨材が出てくる前に塗り替えるのが良いでしょう。

 

セメント瓦屋根の特徴

・軽量でそれなりの耐久性
・熱に強く膨張収縮の影響を受けにくい
・色々な形が選べる
・色のバリエーションが豊富
・塗替えが必要
・割れやすい

色々な形や色が選べるため、どのような家にも合わせることができます。軽量でそれなりの耐久性があり、粘土瓦と比べると工事費用も抑えられます。

ただし、定期的に塗替えが必要になること、塗膜が剥がれると割れやすくなることを考えると、個人的には粘土瓦の方がお勧めです。粘土瓦も色々な形が選べます。

 

セメント瓦の塗り替え

屋根_高圧洗浄

1.浮いている塗膜を剥がす
2.高圧洗浄で汚れやコケなどを落とす
3.破損部の補修
4.下塗り(シーラー)
5.上塗り1回目
6.上塗り2回目

ケレンや高圧洗浄で、旧塗膜や汚れ、コケなどをしっかり落とさないと、塗装してもすぐに剥がれが発生します。高圧洗浄は2回行うこともあります。

屋根は太陽光や雨を直接受けるため、外壁よりも劣化しやすいです。塗装よりも下地処理が大切になりますので、職人さんもこの工程には気を使います。

セメント瓦は波形の物が多く、ローラーでは上手く塗れないため、刷毛や吹付けで塗装するのが一般的です。

塗り替え費用は使う塗料によって変わってきます。最近はシリコン塗料やフッ素塗料が使われることが多いです。瓦は熱伝導率が低いので、遮・断熱塗料はあまり使われません。

 

セメント瓦の葺き替え

瓦の劣化が激しい場合や、新築から時間が経っている場合には、塗替えではなく葺き替えリフォームになることもあります。一度、既存の瓦を撤去して新しい瓦を張り替えます。

セメント瓦は、スレートやガルバリウム鋼板のように重ね葺き(カバー工法)ができないため、リフォーム費用は高くなります。ただ、瓦の下の下地部分も補修や修理できますので、新築時と同じような状態に復元できます。

セメント瓦からセメント瓦に葺き替えることもできますし、スレートやガルバリウム鋼板に葺き替えることもできます。