塗料の耐用年数と塗膜の劣化症状の出方
外壁塗装や屋根塗装で使われる塗料は、アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素などの種類があり、それぞれ価格や耐久性が異なっています。
アクリルやウレタンは耐久性が低くあまり使われなくなっており、主流はコストパフォーマンスが高いシリコンです。
グレードが上がるほど価格が高くなりますが、耐用年数は増えるので、耐久性とコストのバランスが取れているシリコン塗料が人気です。
耐用年数は「水性」「油性」や「1液型」「2液型」などのタイプによっても差がでますので、良くわからない時は工事を依頼する塗装業者に相談しましょう。自分の家に合った良い塗料を紹介してくれるはずです。
塗料の種類と特徴
塗料 | 耐用年数 | 価格 | 特徴 |
---|---|---|---|
アクリル | 6~7年 | 安い | 最近は使われない。 |
ウレタン | 8~10年 | 安い | 最近はあまり使われない。 |
シリコン | 10~13年 | 普通 | 最も良く使われる。紫外線に強くそれなりに耐久性が高い。 |
フッ素 | 15~20年 | 高い | 耐久性に優れ汚れにも強い。 |
遮・断熱 | 15~20年 | 高い | 遮熱・断熱効果がある塗料。電気代の節約になる。 |
光触媒 | 15~20年 | 高い | 光触媒によりカビや汚れを分解する。 洗浄作用がある塗料。 |
遮熱・断熱塗料や光触媒塗料は、特殊な機能を持った塗料で、価格が高くなりますが長期間良い状態で家を保ちたい人にはオススメです。
なお、太陽光を浴びる関係で、外壁よりも屋根の方が劣化が早まります。屋根の劣化状態は確認しづらいですが、通常は外壁塗装と屋根塗装を同じタイミングで工事します。
一般住宅で使われることが多いシリコンと、耐久性が高いフッ素の価格を比較すると以下のようになります。
外壁(1㎡) | 屋根(1㎡) | |
---|---|---|
シリコン | 1,800~2,700円 | 2,200~2,800円 |
フッ素 | 2,700~4,800円 | 3,000~4,800円 |
3回塗りする場合のシリコンとフッ素の価格差です。足場代や洗浄の代金は含まれていません。
フッ素の方が1.5倍ぐらい価格が高くなりますが、耐久年数が5年以上伸びるので、数十年の長いスパンで何度も塗り替えることを考えると、それほど高くはないと思います。
塗膜の劣化と症状
一般的に前回の塗替えから12~3年で次の塗替えを考える家が多いですが、外壁の状態を見て塗替えを考えても良いでしょう。
耐用年数はあくまで目安ですので、もっと早く劣化する場合もありますし、もっと遅く劣化することもあります。前回の塗装が手抜き工事だと次の塗り替え時期が早まります。
明らかな手抜き工事でないとしても、しっかり乾燥する前に上塗りしてしまったり、塗料の希釈率が間違っていたなどの原因で劣化が早まることがあります。
劣化の段階 | 症状 |
---|---|
光沢の低下 | 塗膜の光沢や艶が無くなってくる |
チョーキング | 手で触ると白い粉が付く |
変色 | 塗膜の色が変わる。色あせ |
塗膜損傷 | 塗膜がヒビ割れたり剥がれる |
無機能化 | 建物の保護機能が無くなる |
劣化の段階と関係なく、カビや藻が発生することもありますが、カビや藻は自分で掃除することもできます。
チョーキングや変色の症状が出てきたら塗り替えの時期です。ヒビ割れや剥がれが発生している時は、すぐに塗装工事した方が良いでしょう。
ヒビ割れや剥がれをそのままにしておき、建物の保護機能が無くなると、雨水が建物内に侵入し、木部を腐らせたり鉄部からサビが出てくることになります。こうなると、塗り替え工事だけでは対応できなくなってきます。