外壁塗料の成分ごとの特徴や性能の違い
外壁や屋根の塗装で使われる塗料には、顔料、添加物、合成樹脂の3つが配合されていますが、樹脂の種類により耐久性が変わってきます。
合成樹脂は、「アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素」の4つに分けられ、それぞれ水性塗料と油性塗料があり、さらに1液型と2液型に分かれます。
水性塗料は水で希釈し、油性塗料はシンナーで希釈します。油性塗料は強溶剤と弱溶剤に分かれ、弱溶剤は塗料用シンナーで希釈するため、それほど臭いはきつくありません。
一般住宅の外壁塗装や屋根塗装で使われる塗料で主流なのは、コストパフォーマンスに優れたシリコン塗料ですが、価格重視でウレタン塗料が選ばれたり、耐久性重視でフッ素塗料が選ばれることもあります。
塗料の耐用年数
塗料 | 耐用年数 | 価格 |
---|---|---|
アクリル | 6~7年 | 安い |
ウレタン | 8~10年 | 安い |
シリコン | 10~15年 | 普通 |
フッ素 | 15~20年 | 高い |
遮熱・断熱 | 15~20年 | 高い |
光触媒 | 15~20年 | 高い |
耐用年数は、規定の希釈率で薄めた塗料を2回塗った場合の年数です。外壁塗装では、下塗り ⇒ 中塗り ⇒ 上塗りの3回塗りが基本で、中塗りと上塗りでこれらの塗料が使われます。
塗りやすくするために塗料を薄めすぎたり、2回塗る所を1回しか塗らないなどの手抜き工事があった場合、耐久年数は落ちます。塗装前の洗浄や下地調整がいい加減な場合も塗膜の剥がれやヒビ割れの原因になります。
また、直射日光が当たる場所は劣化が早く進むため、屋根や日当たりが良い外壁は、耐用年数が短くなります。
遮熱・断熱塗料や光触媒塗料は、特殊な塗料になるため価格が高いですが、予算に余裕がある方にはオススメの塗料です。
塗料の性能
アクリル | ウレタン | シリコン | フッ素 | |
---|---|---|---|---|
耐用年数 | 5~8年 | 8~10年 | 10~13年 | 15~20年 |
耐候性 | △ | △ | ◯ | ◎ |
防水性 | △ | △ | △ | △ |
防カビ性 | △ | ◯ | ◯ | ◯ |
美観 | △ | △ | ◎ | ◎ |
伸縮性 | △ | ◯ | △ | △ |
基本的に価格が高い塗料の方が性能は高くなります。
アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素で比べた場合、フッ素塗料が最も高価で最も性能が高くなります。
アクリル塗料やウレタン塗料は価格が安いですが、耐久性が低く性能も良くないため、あまり使われなくなっています。
シリコンとフッ素の価格差
フッ素の方が1.5倍ぐらい高くなりますが、耐久性は上がりますので、次回の塗替えまでの期間が長くなります。 40年、50年のトータルコストで考えると、それほどの差にはなりません。
どちらにするか迷った場合はシリコンで良いと思いますが、耐久性を求める人はフッ素がオススメです。外壁はシリコンを使い、劣化が早い屋根の塗料はフッ素にするのも一つの方法です。