モルタル壁のクラック(ヒビ割れ)の種類と補修方法
外壁塗装の際に壁にクラック(ヒビ割れ)が見られる場合、クラック部分の下地補修を行ってから塗装することが一般的です。
サイディング壁ではクラックが見られることはあまり見られませんが、モルタル壁の場合、多くの家でクラックが発生しています。
クラックには、ヘアークラック、構造クラック、乾燥クラック、縁切れによるクラックなどがあります。
クラックが起こる原因
注意 |
①劣化が進み水や空気を通しやすくなる |
②太陽光や雨の影響を受ける |
③温度変化や揺れなどが原因でヒビ割れが起こる |
外壁は太陽光や雨風を受けて徐々に劣化していきます。気温の変化による塗膜の収縮や、凍結と融解の繰り返しによってヒビ割れが起こったり、日本は地震大国ですので建物に力が加わることで、ヒビ割れが発生します。
2階部分の高い場所は難しいですが、外壁の状態は常に確認することができますので、新築や前回の塗替えから10年ほどしたら、定期的に壁の状態をチェックしましょう。
クラックの補修方法
クラックは、大きさや溝の深さによって補修方法が変わってきます。
クラックの種類 | 修繕方法 |
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ヘアークラック | 0.2~0.3mm以下の細いクラック。髪の毛のようにみえることからヘアークラックと呼ばれる。経年劣化により起こるヒビ割れ。 ヘアークラックは、弾性フィラーのような弾力がある下塗材をクラックの中に刷り込むことで対処できるため、下地補修の際には何もしなくて大丈夫。 |
構造クラック | 0.3mm以上、または深さ0.5mm以上の大きなクラック。構造クラックは放置すると建物の強度にも影響を与えるため危険。 構造クラックの修繕方法は、クラックの大きさによって変わる。0.3~0.7mm未満は、シーリング材で埋める。0.7mm以上のクラックはV字カットして、プライマーを塗布しシーリング剤で埋める。 |
ヘアークラックの場合は、特に補修の必要はありませんが、構造クラックの上から塗料を塗ることはできません。補修しないで塗っても、すぐにヒビ割れが発生してしまいます。
クラックが大きい場合は、V字カットした後にシーリングやモルタルで補修します。
大きなクラック箇所が複数ある場合、それだけ補修に時間がかかりますので、下地調整費用も高くなります。できれば構造クラックが発生する前に、塗り替えを行いたいですね。
クラックに追従する弾性塗料
塗料の中にはクラックに追従する弾性塗料があります。
弾性塗料を使うことで、ヒビ割れしにくい丈夫な壁が出来ます。ただし、使い方を間違えると弾性性能を発揮することができません。
また、弾性塗料は粘着性が強く塗りにくいため、規定よりも薄めて使う塗装業者もいます。薄めて使ってしまうと弾性性能がなくなってしまいます。
なお、サイディングボードに弾性塗料を使うと、夏場に塗膜が膨れるなどの症状が出ることがあります。サイディングは断熱性が高く、太陽光を浴びて壁の温度が上がり熱が溜まると、塗膜が膨らむ原因になります。
基本的に弾性塗料はモルタル壁で使うものなので注意しましょう。