ケレンを行う理由と種類~鉄部の研磨やサビ落とし~
外壁塗装の見積もりを見ると「ケレン」と呼ばれる項目があります。ケレンとは、屋根や外壁、雨戸などの鉄部の塗装を行う際の下地処理のことです。サンダーやサンドペーパーなどの専用のヤスリを使い削ったり、サビを落としたりする作業です。
ケレンで鉄部を削ることになりますが、その工程があることで、鉄部と塗料を密着させることができます。
ケレンを行う理由
ポイント |
・旧塗膜を落とす |
・汚れやサビを落とす |
・塗料の密着性を高める |
ケレンせずに塗料を塗ってしまうと、塗料が密着せず、剥がれやヒビ割れの原因になってしまいます。通常10年持つ塗料だとしても、ケレンしないと2~3年で剥がれが発生することもあります。
下地の劣化がひどい状態で、そのまま塗料を塗る塗装業者はいないと思いますが、ケレンの処理がいい加減な業者はあります。塗装直後は何とも無くても数年すると塗膜が剥がれてきます。
下地調整は外壁塗装工事においてとても大切な作業になります。優良業者ほど下地調整をしっかり行います。
ケレンの種類
ケレンの作業は、塗膜や劣化の状態によって4つの種類に分けられます。1種が酷い状態で4種が軽い状態です。
ケレンの種類 | 状態 | 調整方法 |
---|---|---|
1種ケレン | 腐食が多く発生している | 化学処理やブラスト工法で処理。旧塗膜やサビを徹底的に除去する。 |
2種ケレン | 塗膜が劣化している | ディスクサンダー・ワイヤーブラシ・スクレーパーで処理。活膜を残し旧塗膜を除去する。 |
3種ケレン | 部分的に錆びが発生している | ディスクサンダー・ワイヤーブラシで処理。旧塗膜の劣化部位を除去する。 |
4種ケレン | 汚れやチョーキングが発生している | ワイヤーブラシ・サンドペーパーで処理。汚れや粉化物を除去する。 |
1種ケレンや2種ケレンでは塗装箇所の全体を機械を使ってケレンすることになりますが、3種や4種ケレンでは手作業でやることが多いです。
劣化が激しいほどケレンの作業に時間がかかり、費用が上がります。屋根や外壁など広範囲の塗装でケレンが必要になる場合、ケレンの費用だけで20万円以上かかる場合もあります。