外壁塗装の塗料の希釈率と薄めすぎの塗料の耐久性
外壁や屋根で使われる塗料は、塗料缶から直接使うわけではなく、水やシンナーで薄めて使います。これを「希釈(きしゃく)」と言います。水性塗料は水で薄め、油性塗料はシンナーで薄めます。
塗装業者が塗料の節約の為に薄めているわけではなく、塗料メーカーが塗料の性能や耐久性を最大限発揮するための基準として希釈率を設けています。
通常は、5~10%などの最適な希釈率が設定されています。使う塗料によって最適な希釈率が変わってきますので、塗装業者はその塗料の希釈率を確認して、水やシンナーで薄めます。
塗料を規定以上に薄めると・・・
悪徳業者でも無い限り、塗料の希釈率を守っていない業者はいないはずですが、なるべく工事を早く安く済ませるために、規定以上に薄める業者がいます。
薄めれば薄めるほど塗料の量が増えるので、1缶で塗れる面積も広くなります。塗料代が節約できますので業者の利益が出ます。薄い方が塗りやすく作業性も上がるので、人件費も削減できます。
しかし、薄めすぎた塗料で壁を塗ると耐久年数が10年の塗料が、3年や5年で劣化してくる可能性があります。適切な希釈率ではない塗料は、耐久性がかなり落ちます。
業者を試すわけではありませんが、工事が始まった時に、「この塗料の希釈率は何%なんですか?」といった質問をしても良いと思います。
この依頼主は塗装の知識があるということで、業者も身が引き締まり手抜き工事が防止できます。こちら側に知識があることを業者に伝えることは大切です。
希釈率の幅
外壁塗装で使われる塗料の希釈率は5~10%などとなっています。なぜ、5%や10%ではなく5~10のように幅があるのか疑問に思う人も多いのかもしれません。
塗料には粘度があり、粘度は気温や湿度によって変わります。冬場の寒い時は、粘度が大きく、夏場の暑い時は粘度が小さくなります。
粘度は作業性に影響を与えるため、気温などによって適切な希釈率が変わってきます。冬場であれば夏場よりも希釈率は高くなります。冬場に使われる塗料の方が少し薄いということですね。