オリジナル塗料や自社開発の塗料に要注意
外壁塗装で使われる塗料はいくつか種類がありますが、塗料に含まれる合成樹脂によって耐久性が変わってきます。
合成樹脂は、「アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素」の4つに分けることができます。
アステックペイントのピュアアクリルのように、15~20年持つ特別なアクリル塗料もありますが、一般的なアクリル塗料は不純物が多く含まれるため耐久性が低くなります。
この他にも遮熱塗料や断熱塗料、光触媒塗料と呼ばれる特殊な塗料がありますが、これらの耐久年数も15~20年とされています。
塗料 | 耐用年数 | 価格 |
---|---|---|
アクリル | 6~7年 | 安い |
ウレタン | 8~10年 | 安い |
シリコン | 10~13年 | 普通 |
フッ素 | 15~20年 | 高い |
遮熱・断熱 | 15~20年 | 高い |
光触媒 | 15~20年 | 高い |
シリコンでも価格は塗料によって変わります。特殊なシリコン塗料でフッ素並みの料金のものもあります。
塗料を選ぶ時は、「価格、耐用年数、性能」を総合的に判断して決めるようにしましょう。高い塗料でも、耐久性が高く、セルフクリーニング機能や防汚性、防カビ性、防藻性などに優れていれば、金額以上の満足感が得られることもあります。
30年持つ塗料がある?
現在販売されている塗料の耐用年数は長くても20年ほどです。30年や40年持つ塗料はありません。
ただ、外壁塗装業者の営業マンから説明を受ける時に、30年の耐久性がある塗料を紹介されることがあります。
「オリジナル商品」や「独自開発」という言葉を使って、自社データを元に30年持つ塗料を勧められるかもしれませんが、耐用年数が20年を超える塗料は怪しいと思った方が良いでしょう。
時々、フッ素塗料を30年持つ塗料として紹介している塗装業者がいますが、フッ素樹脂でも30年は持ちません。塗料メーカーが発表している資料では、長くても20年になっているはずです。
耐用年数が長い塗料のほうが、次回の塗り替えまでの期間が伸びるため、トータルコストが安くなります。しかし、あまりに耐用年数が長い塗料は疑ってかかったほうが良いでしょう。
シリコン・フッ素塗料のトータルコスト比較
シリコン塗料で10年おきに塗り替える場合と、フッ素塗料で20年おきに塗り替える場合で、40年後のトータルコストを比較してみます。
塗装部分の代金だけで見ると、フッ素の方が1.5倍ほど高くなりますが、塗装工事には足場代や高圧洗浄、下地補修、養生などの他の費用もかかってくるため、長いスパンで考えると、工事回数が少ないほうがコストは低くなります。
外壁塗装や屋根塗装は、その家にあと何年ぐらい住むのかも考えて決めなければなりません。10年後に建て替えを考えているのに20年持つ塗料を塗っても仕方ありませんよね。