外壁にひびやサビといったサインが出ていたため、外壁塗装工事についての問い合わせをしたい。いろいろな業者の見積もりを比較してみたい。そんな風に思ったとき、施工方法や塗料の種類に関する基礎知識があると役立ちます。基本的なところをおさえておきましょう。
見積もりの前に、知っておきたい塗装の基礎知識
塗装の種類
一言で「塗装」と言っても、その種類はさまざまです。塗料の種類や施工方法によって費用も、その機能も異なりますので、以下基本的なものを紹介しておきたいと思います。
吹き付けタイル(中粒仕上げ)
織物の紙粘土状の素材(タイル)を外壁に吹き付けることで、凹凸模様のパターンをつける施工方法です。そのから、色付けをして仕上げます。数センチごとに細長や丸の凹凸模様ができることが特徴で、押さえ仕上げと似ていますが、この模様が少し異なっています。劣化した時に上塗りをするだけで性能が回復するというメリットがありますが、上塗り材の耐久性は低くなってしまいます。
リシン塗装
リシンとは、アクリル顔料塗料の一つ。このリシンに砂状の骨材を混ぜ、外壁に吹き付ける施工方法です。砂の凹凸がつき、つや消しも仕上がるため、下地の不出来が見えにくくなるという特徴があります。コストが安いため元々は新築によく使用されていましたが、耐久性の面では少し劣ると言えます。通気や浸透には優れているものの、防水力が劣ります。
スキン塗装
スキン塗装はセラミック塗装とも呼ばれ、小さな石の集合を吹き付ける施工方法です。小さな石の集合を吹き付ける際には、アクリル塗装を糊とします。細かい隙間が生じるため、外壁の通気性が良いという長所があり、耐久性も悪くありません。ただし、コスト面ではリシン塗装より高くなり、またスキン塗装にもいろいろな種類があるため、その種類によっても価格が異なります。
スタッコ塗装
元々はスタッコ(化粧漆喰)を用いた施工方法でしたが、近年ではセメントモルタルを使用するようになりました。セメントモルタルや合成樹脂を吹き付け、その後コテやローラーで抑える方法をスタッコ塗装の押さえ仕上げと呼んでいます。リシン仕上げと吹き付けタイルの両方の特徴を合わせ持っています。
サイディング
サイディングと呼ばれる材料を、外壁に貼る工法。表面にスチールやアルミ、裏に断熱材の入ったものは金属系サイディングと呼ばれ、丈夫で腐食しにくく、低コストという長所があります。セメントや木材などの原料を高熱処理して作られるものは非金属系(窯業系)サイディングと呼ばれ、現在もっとも広く使われています。こちらは水性系塗料でも、油性系塗料でも自由に塗装ができるという長所がありますが、湿乾伸縮に弱く、防水の加工が必要です、