屋根塗装の遮熱断熱工法~特殊塗料で室内温度を下げる~
屋根で使われる塗料は、シリコン塗料やフッ素塗料が一般的ですが、最近は遮熱効果や断熱効果がある特殊塗料が使われる事も多くなっています。
遮熱塗料は太陽光を反射して屋根表面温度の上昇を抑えることができます。
断熱塗料は、太陽光による熱の伝導率を抑え、室内に熱が伝わるのを抑え、冬場は室内の熱を外に逃げるのを防ぎます。
遮熱効果と断熱効果がある塗料を使うことで、夏涼しく冬暖かい家にすることができます。
遮断熱工法の塗装工程
遮熱・断熱の両方の効果を持った塗料もありますが、遮熱塗料と断熱塗料の両方を使うことで、効果を高めることができます。
工程 | 塗料 | 施工ポイント |
---|---|---|
高圧洗浄 | – | 高圧洗浄機で屋根の汚れやコケ、カビなどを洗い流す。 |
下地調整 | – | ヒビ割れや破損が発生している場合には補修する。 |
下塗り | 浸透性シーラー | 一般的な下塗材を使い、ローラーや刷毛で下塗りする。 |
縁切り | – | 屋根材が密着しないようにタスペーサーを差し込む |
中塗り | 断熱塗料 | 特殊セラミックバルーンなどの熱伝導率を低下させる素材を含む断熱塗料を塗る。 |
上塗り | 遮熱塗料 | 太陽光の近赤外線領域の光線を高反射するような塗料を使い上塗りする。 |
一般家屋では遮・断熱塗料の効果が薄い?
遮・断熱塗料の温度上昇実験は、多くの場合、トタン屋根などの熱を通しやすい屋根材で、倉庫のような断熱材が使われていない建物で行われています。
屋根の上昇温度や室内温度は、使っている屋根材や建物の形状、断熱材の有無によって大きく影響を受けるため、一般的な家屋ではそれほど大きな効果が期待できない場合もあります。
遮・断熱塗料を使っても明らかに電気代が安くなったという実感を味わえないこともあります。遮・断熱塗料はシリコン塗料よりも高いので、通常はシリコン塗料を使う形で良いと思います。
遮・断熱塗料は商品によって耐久性が異なり、10~15年の耐用年数になっていることもあります。フッ素塗料の耐用年数は15~20年で、遮・断熱塗料とフッ素塗料の価格はそれほど変わらないものもありますので、耐用年数重視でフッ素を選んでも良いでしょう。
塗装業者から説明を受けて、納得がいった場合に遮・断熱塗料を使うのが良いと思います。過度な期待は禁物です。