同じ建坪でも家の形が違うと塗装工事の料金が変わる

外壁塗装の費用は使う塗料と塗る面積によって変わってきますが、塗る面積は坪数や延べ床面積だけで判断することはできません。

塗装工事の相場として、30坪や40坪の工事代金を掲載することがありますが、あれはあくまで概算値です。

同じ坪数でも建物の形状によって外壁塗装面積が変わってくるため、正確な見積額は現地調査で計測してみないとわかりません。

正方形の家と長方形の家

例えば、10m×10mの正方形の家と、5m×20mの長方形の家を比べてみます。どちらも30坪で100平米の家ですが、外周はそれぞれ40mと50mになります。

壁の高さが3mだとしたら、外壁塗装面積は120㎡と150㎡になり、同じ坪数でも塗装面積は30㎡の差が出ます。なので、坪数だけで見積もりを出すことはできません。

実際にはこれだけ長方形の家は珍しいですが、正方形の家というのも珍しいので、同じ坪数で同じ工事内容でも家によって見積額は変わってきます。

見積額が大きく変わる要素

外壁塗装工事の見積額が大きく変わる可能性がある要素は以下の5つです。

  1. 家の形(外壁塗装面積)
  2. 使う塗料のグレード
  3. 壁や屋根の劣化の状態
  4. 付帯塗装の有無
  5. 屋根塗装の有無

使う塗料のグレード

ペンキ

外壁塗装で使われる塗料は、アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素などがありますが、アクリルやウレタンは塗料が安く、耐久性が低いです。

耐久性やコストパフォーマンスからシリコン塗料が使われることが多いですが、同じシリコン塗料でも使う塗料によって価格は変わります。

使用する塗料によって見積額が大きく変わりますので、予算を節約したい人は、シリコン塗料の中から安くて良い物を選ぶのが良いでしょう。塗装業者に相談すれば、良い塗料を教えてくれます。

壁や屋根の劣化の状態

塗装工事では、塗料を塗る前に下地処理を行います。壁や屋根の劣化の状態が酷く、ヒビ割れや剥がれなどの症状が見られる時は、下地を補修しなければいけないこともあります。

鉄部の塗装をする前にはケレンの作業が必要になり、スレート屋根と鉄板屋根とでは、手間が変わってきます。

このように、壁や屋根の状態によって作業が変わるため見積額も変わります。

付帯塗装の有無と使う塗料

塗装箇所の名称

外壁塗装工事では、軒天や破風板、鼻隠しなどの付帯部も同時に塗装するのが一般的です。雨樋や雨戸の塗装も行いますし、細かく見れば換気カバーやエアコン周り、手摺などもあります。ベランダや側溝の防水もやる場合とやらない場合があります。

付帯部は塗装しなくても建物に大きな影響を与えないこともあり、ウレタン塗料が使われることもありますが、付帯部もシリコンやフッ素塗料を使う場合、料金が高くなります。

節約のためにできるだけ付帯塗装を行わない施主もいますが、全ての付帯塗装を行うと金額が上がります。

屋根塗装の有無

屋根塗装

外壁と屋根は同時に塗装するのが一般的ですが、和瓦と呼ばれる屋根材を使っている場合は、塗装の必要はありません。

コロニアルやカラーベストと呼ばれるスレート屋根やガルバリウム鋼板、トタンなどの屋根は塗装が必要です。

屋根の塗装を行うか行わないか、塗装する場合どの塗料を使うかによって金額が大きく変わってきます。