ALCパネルの劣化症状と外壁の塗り替え

ALCパネルとは、正式には、「Autoclaved(高温高圧蒸気養生された) Lightweight aerated Concrete(軽量気泡コンクリート) 」と呼ばれる材料です。

ALCパネルは3階建て以上の建物やマンション以外でも、最近は2階建ての戸建住宅でも使われるようになっているので、ALCパネルの塗装を行う事も多くなっています。

表面に塗料が塗られており、サイディングと同様に、大体10年程での定期的な塗り替えが必要になります。ALC専用の塗料はありませんので、サイディングやモルタルと同様の塗料を使います。

 

ALCパネルの劣化症状

注意
・チョーキング
・塗膜の浮き、剥がれ
・ヒビ割れ
・パネルの破損
・シーリングの劣化

ALCパネルの劣化症状は、サイディングと同様の症状が多いです。チョーキング現象が出た時点で塗り替えを行うのが理想的です。塗膜の浮きや剥がれが出てからでは少し遅いです。

目地部分にはシーリング材が充填されていますので、シーリングの劣化から雨水が侵入しパネルや建物が腐食する可能性もあります。

ただ、ALC外壁の場合、建築用仕上げ材で塗装されている事が多く、シーリングにも塗膜ができますので、10年以上経っても劣化していないことも多いです。

 

ALCパネルの塗装

ALCパネルの塗装は、「高圧洗浄⇒養生⇒下地補修⇒塗装」の流れで行われます。基本的にはサイディングやモルタル壁と同じです。

 

塗装に使われる塗料の種類

ALCパネルの塗装に使われる塗料も、サイディングやモルタル壁と同じですが、アクリルやウレタンは耐久性の関係であまり使われていません。

一般的にはシリコンが使われており、より高い耐久性を求める場合は、フッ素が使われます。美観を長く保ちたい場合は、光触媒塗料が使われます。光触媒にはセルフクリーニング効果が有るため、汚れが付着したとしても雨水で洗い流してくれます。

 

ALCパネルの強度

ALCパネルは、幅が600mm、厚さが50mm以下の薄型と、75mm以上の厚型の2種類があります。薄型は戸建住宅で使われ、厚型はビルやマンションなどで使われます。

水に浮くほど軽く、建物に大きな負担をかけない良い材料で、尚且つ、シックハウス症候群の原因となる有機化合物やアスベストを含んでいません。

ALCパネル単体ではもろいため、あまり強度が強くありません。しかし、補強材としてパネル内部に鉄筋が組み込まれていますので、サイディングやモルタルよりも強度は強いと言えます。