ステンレスが錆びない理由

鉄に10.5〜12%以上のクロムを加えると鉄の表面に100万分の1〜3ミリほどの非常に強固で緻密な参加皮膜(不動態皮膜が)作られ、空気を遮って水分や錆びから守る役割をするからです。ニッケルなどはこの性質を向上させるために加えます。

 この皮膜はクロムが空気中の酸素と結合したクロム酸化物(クロムの水和酸化物、ないしオキシ水酸化物)からできています。クロムは親和性(酸素と結びつく性質)が非常に強く、もし表面に傷がついても鉄よりも酸素と結びつきやすいクロムの方が先に空気中の酸素と触れて皮膜がすぐに修復されるのでいつまでも美しい外観を保つことが可能です。また、この皮膜は地金である鉄とも原始的に強く結びついているため、密着性がよく化学的に安定に保持されます。

 鉄は自然界において酸化鉄として存在し、鉄鉱石をコークスから得られる一酸化炭素(CO)で還元することによって作られますが、放置しておくと再び酸素と結びついて科学的に安定した状態である酸化鉄に戻ろうとする性質があります。他の金属も同様で、これが「錆びる(腐食する)」と言われている現象です。しかし、ステンレスが鉄より先にクロムが「錆びる」ようになっているため、ステンレスを錆びさせないようになっているのです。

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